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歯周病
歯周病とは?
歯の病気の代表的なものに、むし歯と歯周病があります。
むし歯は<歯そのもの>が破壊される病気ですが、歯周病は<歯を支える周りの組織(歯周組織)>に起こる病気です。
自分で気がつかない軽い歯周病を含めると、38歳以上の成人のうち、5人に4人以上が歯周病にかかっているといわれ、歯周病は歯を失う大きな原因となっています。
歯周病の原因は?
歯周組織は歯肉(歯ぐき)と歯槽骨(歯を支える骨組織)、歯根(歯の根元)をおおうセメント質、歯根と歯槽骨をつなぐ歯根膜からなり、歯を正しい位置にしっかり付着・固定するための強固な構造を備えています。
しかし、歯磨きが不十分で、歯と歯肉の間に細菌が住み着いて歯垢(プラーク)がたまると、そこに炎症が引き起こされます。これが歯周病の始まりです。
歯周病の進行と症状
初めは自覚症状がなく、鏡で見ても気がつきませんが、そのうち歯肉が赤くなったり腫れたりします。
プラークが石灰化し歯石になると、自分では取り除きにくくなって歯周病が悪化し、歯と歯肉が付着している部分に隙間(歯周ポケット)ができます。さらに、炎症が歯肉内部に進行すると、歯根膜や歯槽骨が破壊されて、歯を固定する力がだんだん弱くなります。この状態のまま放っておくと、ついには歯を失うことになります。
治療方法
① 比較的軽い歯周病(歯肉炎・歯周炎)の場合
歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。
② 炎症が歯肉の奥まで進行した場合
歯周組織の破壊がひどい場合には歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。
手術の際に、歯周組織再生用材料という手術治療を補助するための歯科用の材料が使われることがあります。
群馬の歯周病専門医ひらしま歯科では、歯科用CTによる診断をしてから、再生療法(リグロス・エムドゲイン)という歯周病治療を行っております。
再生療法(リグロス)
リグロスを用いる歯周組織再生療法とは
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。
フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。
リグロスによる歯周組織の再生
リグロスは、成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。これらの作用により歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
フラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)
フラップ手術は歯周基本治療では除去できなかった歯周ポケットの深いところに存在するプラーク・歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つです。歯肉に局所麻酔を行った後、歯肉を切開・剥離してプラーク・歯石などを取り除きます。
フラップ手術時に歯周組織再生療法を併用することで、失われた歯周組織を再生させる工夫をすることもあります。
リグロスを用いる歯周組織再生療法・フラップ手術は保険適用です。
再生療法(エムドゲイン)
エムドゲインとは?
スウェーデンのビオラ社で開発されたブタ歯胚組織を使用した歯周組織再生用材料です。
エムドゲインゲルの主成分(エナメルマトリックスデリバティブ)は、子供の頃、歯が生えてくる時に重要な働きをするたんぱく質の一種です。現在の科学水準に基づく高い安全性確保の下、幼若ブタ歯胚から抽出精製したもので、世界44ヶ国以上で使用されています。
世界で約200万症例 副作用率0.00%
エムドゲインを原因とする副作用は現在まで報告されていません。
エムドゲインゲルを使った治療法について
歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを撮ったり、その他治療に必要な検査を行ないます。エムドゲインゲルを使用した治療が行なえるかどうかは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なります。
手術は麻酔をかけて行ないます。まず最初に治療する部分の歯肉を切開し、剥離します。次に歯根表面の清掃を行い、エムドゲインゲルを塗布します。最後に切開した歯肉部分を縫合し、手術は終了です。手術にかかる時間は約1時間前後で、手術後、しばらく休んでいただいた後は帰宅できます。抜糸は手術日から2~6週間後に行ないます。
エムドゲイン治療の費用 30,000円~75,000円(税込)
歯周病の予防
健康な歯周組織を取り戻すまでには、数ヶ月から1年程度かかります。歯周組織が再生するまでの期間は個人差があり、歯周病の程度によっても異なります。術後のスケジュールの詳細も状態によって異なりますので、必ず定期的な検査を受けて下さい。治療が終了した後も、口の中の衛生状態を定期的に検査することをお薦めします。
CTによる診断
歯科用CT はインプラント診断、歯周病による骨欠損の状態、顎関節、歯根の膿、親知らず、上あごの炎症、神経の走行など二次元のレントゲン撮影では不可能だったお口のさまざまな状態を診断できます。
歯槽膿漏、歯周病の歯の根の周りの歯槽骨の状態を立体的に把握できます。これにより 、歯槽骨の溶けた(吸収した)範囲や状態の診断もより正確に行え、事前の治療方針の決定などにも役立ちます。
歯周病で失った骨を再生します
当院で採用している「骨補填材」は
人体の骨と同じ成分の「炭酸アパタイト」を主成分としており、患者様ご自身の骨に緩やかに置換されます。
骨補填材の費用 25,000円(税込)